アスペルガー症候群とは

自閉症スペクトラム症(ASD)アスペルガー症候群。
これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などと、精神科の分野でもいろいろな名称や分類で呼ばれてきましたが、新しい診断基準で、自閉症スペクトラム症とまとめて表現されるようになりました。
自閉スペクトラム症は、多くの遺伝子が複雑に関与しているために発症する、生まれつきの脳機能障害とされ、精神科から一般のメンタルクリニックを受診する人などをあわせて、全人口の約1%とあるとも言われております。この症状を有する人の症状は極めて多様であるため、患者さんも心療内科を受診した上で、信頼できる専門家のアドバイスのもとで、自分の状態を理解するように心がける必要があります。個々のケースで対応も異なりますから、心療内科への継続した通院が必要になります。
精神科などでの診断としては、社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な困難があることを前提に、その他の症状を確認して、他の病気を否定するという作業が必要になります。一度診断されても、二次的な合併症が問題になることもあり、心療内科などでの継続した経過観察は必要です。アスペルガー症候群の原因はまだ特定されておらず、多くの遺伝的な要因の関与が複雑にからみあっていて生まれながらの脳機能の障害がその原因であるとされていると、精神科の分野では説明されています。心療内科受診時に、発症の原因を親の責任もしくは本人の責任と思い込んでいる方も多いですが、そのように考えるのは間違いです。
アスペルガー症候群の治療について
アスペルガー症候群の治療についても、ほかの発達障害同様に、精神科で有効であるとされているものはありません。ただし、患者さんの特性をのばすように、周囲および心療内科などの受診を通じて、ご本人がその状況を受け入れて、より安定した生活をめざすようにすべきであるといわれております。生涯を通じての、ご本人へのサポートが必要になりますので、心療内科の通院と家族などの周囲の理解が必要であるといえるでしょう。