疾患によっては漢方処方が困難であることの説明
当院は比較的に漢方薬を使うことが多いのが特徴です。
しかし、下記のような理由のために、疾患によっては漢方の対応が難しい、もしくはできないことがあります。
あらかじめご承知おき願います。
- 1)そもそも漢方の効果で多くを期待できない疾患がある。その場合、漢方以外の一般薬による治療が優先であり、漢方の治療はあくまでも補助的になる。
- 2)保険適用がされていない薬がある。日本の漢方は病名に対して処方が限定されているので、全く違う病名で処方するべきものも多い。
(しかし、それに対して指導が入ることが極めて多く、そのつど反論をしているが、必ずしも認められるとは限らない) - 3)漢方が保険診療に組み込まれる時点で、きわめて重要な処方が丸ごと除かれているという経緯がある。
心療内科できわめて重要な処方も、その目的で出せるものがほとんど欠けていたりするので、やむを得ずそれを前提として出さざるを得ないことがある。 - 4)診断にもとづいて処方を出すとき、必要でない“薬の成分”が含まれていることがある。歴史的経緯で追加されたものが多いが、それらを取り除くことはできない。
- 5)有名な処方を再現する目的で、薬を組み合わせることがある。しかし、ある成分が過量となって好ましくないため、難しいことがある。
- 6)生薬を煎じ薬にして飲む場合と比較すると明らかに効果が劣っている。またエキス剤などにして、顆粒や細粒になるだけでも、効果が減少するものもある。
- 7)1日に出せる薬の量が限られている。多量に出すことによる副作用のおそれがあるのである程度制限している。そのために、漢方薬以外の一般薬を併用せざるを得ないことがある。
ご希望に添えないこともあるかと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。